COLLABORATION PROJECT

当社と立命館大学スポーツ健康科学部 真田研究室は、フレイル予防に関する共同研究を実施することになりました。
この連携により、真田教授とのフレイル予防研究を進め、当社運営の有料老人ホームにおいてより効果的な
介護予防プログラムを共同で開発し、入居者への質の高いサービス提供へと繋げていくことを目的としています。

共同研究内容

RESEARCH
DETAILS

共同研究内容

「サルコペニア肥満に対するフレイル予防のための身体活動量の増加およびレジスタンス運動による介入効果」

通称:フレイル予防のための「カラダ・プログラム」

※サルコペニア:高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象。
※サルコペニア肥満:サルコペニアと肥満が合併した状態で、サルコペニアや肥満単独よりも健康に対して悪影響がある。
※フレイル:加齢により心身が老い衰えた状態のこと。

フレイルを総合的に判断し、体力・身体活動量との関係を調べます
高齢者の体型に応じたフレイル予防法の開発を目指します

真田教授 コメント

近頃は、人生100年時代という言葉をよく耳にします。健康な寿命がより長く続くのであれば、とても歓迎すべきことといえます。より一層の健康寿命の延伸を目指すためには、今後の高齢者の健康づくりのための研究が重要な鍵となっています。
今回は、株式会社はれコーポレーション様と共同で、フレイル予防のための「カラダ・プログラム」を実施させていただくこととなりました。この研究によって、介護予防のための新しい生活習慣プログラムをご提案できるよう、計画的に粘り強く進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

真田教授

立命館大学 スポーツ健康科学部
スポーツ健康科学科 【教授】
真田 樹義 (さなだ きよし)

1988年鹿屋体育大学体育学部体育スポーツ課程卒業。2005年東京都立大学大学院博士課程 修了。博士(理学)、健康運動指導士、ACSMヘルスフィットネススペシャリスト、ヘルスケア・トレーナー。早稲田大学生命医療工学研究所講師、国立健康・栄養研究所客員研究員、早稲田大学生命医療工学研究所准教授、立命館大学理工学部准教授、同スポーツ健康科学部スポーツ健康科学研究科准教授などを経て、2011年より現職。専門は運動処方、運動生理学。

ABOUT
PROJECT

プログラム内容

今回のプロジェクトは、体組成(筋肉や脂肪など体の中身)を考慮したフレイル予防プログラムの開発を目指しています。太っていることは生活習慣病の発症に関連しますが、やせていることはフレイルの進行など要介護化に関連します。「体組成に応じた適切な運動プログラムは何か」について研究していきたいと考えています。なお、本プロジェクトは真田教授を研究責任者とし、共同研究者として医師や理学療法士、作業療法士、管理栄養士などの医療・福祉に精通するメンバーを中心とした構成となっています。

プログラム内容

プログラム内容

プログラム内容

プログラム内容

2023年3月より開始された当社運営施設「介護付有料老人ホーム アスデンシア京都嵐山」(京都市西京区)でのカラダ・プログラムの測定の実際の様子。真田教授を中心に真田研究室のメンバーが各入居者の身体機能の状態を把握した上で、1年に渡り真田教授考案の生活活動体操のプログラムを実施し、測定データを蓄積していくことで、有効なフレイル予防活動を検証していきます。

当社は、立命館グローバル・イノベーション研究機構(以下、R-GIRO) 第4期拠点形成型プログラム
(2021年度~2025年度)のプロジェクトである「高齢者の認知的コミュニケーションの支援に向けた学際的
研究拠点の形成」のグループ3「記憶の想起を促すシステムの開発と認知機能に与える影響の検証」
(グループリーダー:立命館大学情報理工学部 泉朋子准教授)の研究に、協力企業として連携することとなりました。

共同研究内容

共同研究内容

共同研究プロジェクト
「 記憶の想起を促すシステムの開発と検証(思い出工学)」

通称:認知機能改善のための「思い出工学プロジェクト」

「ICT技術を活用した高齢者が思い出を語る場の実現」
過去の思い出を想起し話すことは自己の認識を深め、他者とのコミュニケーションを豊かにすると言われており、認知症ケアとして回想法も着目されています。しかし高齢者が増える一方で介護者を十分に確保することが難しい現状では、高齢者一人一人に回想法の場を提供することは簡単ではありません。そこで本プロジェクトでは、対話ロボットなどを用いて高齢者が思い出に触れ思い出を語る場を実現し、さらにその様子をご家族、介護者と共有することで高齢者への理解を深めることのできる、人手に頼らない持続可能な支援を実現することを目指しています。当社の研究協力内容としては、泉准教授が実際に当社の運営している有料老人ホームの入居されている方々や働いている各専門職に対して、ヒアリングや検証を行い、その有効性や実現可能性の確認を行うための環境の提供となります。(共同研究者:立命館大学情報理工学部 大津耕陽、立命館グローバル・イノベーション研究機構 安藤雅行)

泉准教授 コメント

ICTの技術は急速に高度化していますが、高齢者支援の場ではICT技術の活用が進んでいるとはまだ言えません。その一つの原因として、高齢者ご本人やそのご家族、介護職の方々と一緒にサービス内容や機能について検討したり、フィードバックを得たりする場が少ないことが考えられます。
今回、株式会社はれコーポレーション様にご協力いただき、思い出を語る場を支援するロボットや情報システムを対象として、高齢者にとって使いやすく有用な機能等についての検討や、実現可能性の検証を行うこととなりました。ここで得られた知見を社会に提供し、持続可能な高齢者支援の実現に向けた成果発信ができるよう尽力してまいります。

泉准教授

立命館大学情報理工学部
先端社会デザインコース【准教授】
泉 朋子 (いずみ ともこ)

大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了.博士(情報科学).名古屋工業大学ポスドク研究員,立命館大学情報理工学部助教,講師,大阪工業大学講師を経て、2019 年より現職.思い出工学や観光支援を対象としたヒューマンインタフェース分野の研究に従事し,ヒューマンインタフェース学会論文賞,電気学術振興賞論文賞など受賞。

本プロジェクトの取り組み

本研究プロジェクトでは、思い出を想起し、語る場を提供するために、思い出想起のトリガーとなる情報をどのように収集するか、またそれらの情報をどのように提示するのが効果的かを研究しています。

01

ロボットの導入

ロボットと思い出を語る場を実現するには、人がロボットに対し親しみや話しやすさを感じる必要があります。そこで例えば、ロボットと実際にキャッチボールを楽しみながら対話を進める場を提案しています。

泉准教授

02

笑い声の記録と記憶の想起

楽しかった思い出を想起するために、笑い声をきっかけにその前後の音声情報を記録し、振り返ることのできるアプリを開発しました。地図上に記録されたデータが表示され、当時の音声を聞きながら振り返ることができます。

泉准教授

03

生活行動からの記憶の想起

私たちは、日常生活の中にあるモノに着目し、モノから想起を促すような語り掛けや情報の提示をすることで、普段の生活行動の中でモノに触れたときに記憶を想起するような環境の実現も目指しています。

泉准教授

04

チャットボットとの振り返り

チャットボットとの対話で記憶を振り返る時、家族のような口調の方が親近感や振り返りやすさを感じるのではないかと考え、大学生を対象に親のような口調のチャットボットが振り返りやすさに与える影響を検証しました。

泉准教授